
「今日、誕生日の人はいますか」
路上で誕生日の人にハッピーバースデーを演奏する。
そのためだけに集まったオーケストラがある。
フリーハッピーバースデーオーケストラ。
イヤホンやBGMが人と人とのつながりを
遠ざけてしまっていることを嘆いた
ひとりのトランぺッターが
思いつきで始めたオーケストラだ。
旅人、ヒッチハイカー、客引き、ミュージシャン。
絵描き、イラストレーター、服作り。
写真家、ラジオAD、ラブホテル支配人、らーめん屋。
そんな、ちょっと変わった連中が集まり
渋谷駅ハチ公口は混沌としている。
フリーハッピーバースデーオーケストラ。
渋谷の路上で、ドラマティックをプレゼントする。
フリーハッピーバースデーを思いついたのは
忘れもしない、名古屋での夜だった。
沖縄で出会った旅人たちと半年振りの再会の夜。
アメリカンステーキハウス、アウトバック。
あそこにいた誕生日のお客さん。
スタッフさんと他のお客さんによるハッピーバースデーの合唱。
勢いで、歌が終わった後、トランペットでハッピーバースデーを吹いた。
店員さんがやってきて言った。
「一緒に盛り上げてくれてありがとうございます。
今日、誕生日の方がもう一人いるんで、もう一回お願いします」
もち、オーケー。
そして、おれはお店から酒を一杯サービスしてもらった。
そのとき、名古屋に来ていた理由のひとつが、
ブログにコメントをくれた友だちの母ちゃん、みきさんに会うことだった。
不思議だよな。
初めて会って、泊めてもらった日。
みきさんも誕生日だったんだからさ。
アウトバックで旅仲間と「ひょっとして・・・」と
予想していたとおりだった。
名古屋に来る前には、福井県の自殺の名所、東尋坊で
仲間の三味線奏者と「自殺を止めよう。死者の霊魂を鎮めよう」と
崖っぷちで演奏していた。
それから、名古屋での連日のハッピーバースデー。
おれは、もし一言しか言葉が喋れなくなるとしたら
迷わず「生きろ」って言葉を選ぶ。
誰もが、話しかけられて、友達ができたら嬉しいし、
誰もが、自分の人生にドラマや映画みたいな出来事を望んでいるし、
誰もが、誕生日をお祝いされたいし、愛されたい。
おれにとって「生きろ」は一番最上級の愛の言葉なんだ。
ハッピーバースデーを鳴らすことは、それと同じ意味だ。
すべての人に、受け入れやすい、ドラマを用意する手段。
「きわめて日常的に、
そしてそれが普通のことを
普通に行なっていながら、
すごく普通ではないこと」 アートレス(川俣正、フィルムアート社)
アートレスという本を著した美術家、川俣正のように
おれもまた、きわめて普通の、特別な何かをずっと探していた。
渋谷×ハッピーバースデー×管楽器×旅人のノリ。
あんなにハッピーな楽団をやることができて、なまら幸せだ。
ありがとう。お祝いさせてくれた人。
ありがとう。交番のめっちゃ近くなのに、見逃してくれたポリス。
ありがとう。一緒にやってくれた仲間たち。
第1回フリーハッピーバースデーオーケストラ参加者。
・のぐちっち(パタンナー):ピアニカ
・めぐみンゴ(パタンナー):洗濯板、カズー
・曲尾健一(webデザイナー):撮影
・荒井樹里亜(革命家):歌
・河井駿吾(シンガーソングライター):歌、ギター
・
新見文(イラストレーター):バースデーカード、歌、キャッチ
・
伊藤暁彦(イラストレーター):バースデーカード、t.sax
・山さん(多摩美術大学グラフィックデザイン科):tb
・オチケン(多摩美術大学情報デザイン科):木琴
・井出美徳(ラジオAD、イベンター):撮影、カズー
・柴田昂典(ラブホテル支配人・・・予定):歌、キャッチ
・オウレリ(旅人 From France):a.sax
・ハンナ(多摩美術大学テキスタイルデザイン科):ハッピーターン配布
代々木公園で出会ったフランス人女性、オウレリ。
一緒にハッピーバースデーを何度も演奏した。
今ごろ、フランス行きの便に乗ってるだろうか。
別れは切ない。
フリーハッピーバースデーオーケストラ@渋谷2009.11.22.
100万部、おれは売る。
現在21冊。大好評発売中。
ヒッチハイクで33日間
65台の車とたくさんの人に助けられて
東京から沖縄往復の旅をした
出会いの奇跡、人間関係の温かさ
ラブ&ピースの人とのつながり
自伝的ヒッチハイク本で伝えたい!
ヒッチハイクしながら本を売り歩きたい!
開拓フェチが切り拓く、生のコミュニケーションを取り戻す闘い
100万部、おれは売る。 (instrumental journey 帯より)